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ビジネス心理学 管理職必見 その指導が部下の勇気をくじいてる!

 

こんにちは、仙台のメンタルトレーナー吉田です。

 

おかげさまで、年に100本以上の研修や講演をさせて頂いていますが、

マネージャー向けのマネジメントや評価に関する研修をしていて、勿体無いな〜

と思うことが時々あります。

 

それは、部下のために良かれと思って指導しているのに、せっかくの指導が裏目

に出ていることに気づいていない人が多いということ。

どういうことかというと、指導という名の「勇気がくじき」をしてしまい、部下

の主体的な行動を阻害し、指示待ち族を生み出しているということです。

 

「もっとこうして欲しい」こういう思いから、忙しい中、時間をやりくりして部下

指導をされているかと思うのですが、どんなにやる気がある人でも、指導という名の

「勇気くじき」を毎回されたら、やはり、やる気は萎えていくものです。

 

そこで、今回は「やる気をくじく指導、やる気を引き出す指導のヒント」について

書いてみたいと思います。

 

原因分析のつもりが人格否定になっていく「なぜ?」の質問

 

 

例えば、部下が仕事でミスしたとき、ミスの原因を探ろうとして何気に「どうして

ミスしたの?」こう尋ねることってありませんか?

 

「どうして?=Why?」で尋ねられた部下は、当たり前ですが「なぜなら=Becouse」

で答えます。これを何度か繰り返すと、実は部下の人格否定にまでつながり兼ねない

強力な勇気くじきになるのです。

 

例えばこんな具合です。

 

上司「どうして今回のようなミスが起きたのか?」

答え「いつもの手順を間違えて見落としてしまったのです」

 

上司「どうして見落としが発生したのか?」

答え「その時は忙しくてつい見落としてしまいました」

 

上司「どうして忙しくても見落とさない時があるのに、その時は見落としたのか?」

答え「慌てていたので集中できていなかったからです」

 

上司「どうして慌てると集中できないのか?」

答え「自分には能力が足りないからです」

 

上司「どうして能力が足りないのか?」

答え「人一倍、努力していないからです」

 

上司「どうして人一倍努力をしないのか?」

答え「そこまでのモチベーションがないからです」

 

上司「どうしてそこまでのモチベーションがないのか?」

答え「別にやりたい仕事じゃないからです。そこまで責められるなら、もう辞めます?」

 

少し極端な会話に思えるかもしれませんが、こんなふうに「どうして(なぜ)?」を

繰り返し質問することで、原因分析という名の「勇気くじき」をしているケースって、

案外少なくないんですよね。

 

「どうして?」ではなく「どうすれば良かったのか?」にフォーカスしていくと、

勇気くじきになることなく、「次こそうまくやります!」というやる気を引き出す

ことができるでしょう

 

 

「して欲しくないこと」ばかりを注意するから動けなくなる

 

 

「次はミスするなよ!」「次はそこ間違えるなよ!」こんなふうに、して欲しくない

ことばかりを上司が伝えているおかげで動けなくなっている部下を見かけます。

 

そして、そんな部下の姿を見て、「なんで主体的に行動しないんだ!? やる気あるの

か!?」と、さらに檄を飛ばしたりするのですが、部下にしてみれば「あなたのせいで

動けなくしておいてそれはないでしょう?」というのが正直なところではないでしょう

か?

 

私たちは「して欲しいこと」ではなくて、なぜか「して欲しくないこと」を相手に

指摘する癖を持っているようです。

 

・ミスして欲しくない

・期限を超過して欲しくない

・クレームを発生させて欲しくない

etc…

 

ですが、「して欲しくないこと」ばかりをドンドン言われると「じゃあ、何をすれば

いいんですか?」と思考がフリーズしてしまい動けなくなります。

 

例えば、僕があなたにこう伝えたとします。

・勝手に記事をスクロールして読み進めないでください

・かといって、このページは閉じないでください

・ですが、このページを開け続けてもいけません

こんなふうに「あれはするな」「これもするな」ばかり言われると、動けなくなって

しまうのです。

 

ですが、「して欲しいこと」を伝えれば、相手はスムーズに行動してくれます。

 

例えば…

・理解できたと思ってから、少しづつ下にスクロールして記事を読み進めてください

・一番最後の文章を読み終わって、納得ができたと感じてからページを閉じてください

こんな具合です。

 

伝わりますか〜?

 

「して欲しくないこと」ではなくて「して欲しいこと」を明確に伝えるということです。

 

欠けているところではなく出来ているところを拡大していく

 

 

「フォーカスした部分が拡大していく」という言葉があります。

 

例えば100点満点中70点を取った時、ー30点にフォーカスすれば「欠けている

ところ」を拡大していきます。

 

・どこを間違ったのか?

・何が理解できていないのか?

 

こんなふうに「欠けているところ」「できないところ」を、良かれと思って指摘する

ことが多いと感じていますが、これがまた強力な勇気くじきになるのです。

 

私たちは私たちなりに頑張っています。

後から考えれば「残念」と思うようなことでも、その時は「最善」だと思う選択をして

行動してるのです。

 

にも関わらず、出来ているところを無視して、真っ先にできていないところ、欠けてい

るところを指摘されてしまうから、「ガッカリ」したり「ムカッ」として、一瞬でやる気

を喪失してしまうのです。

 

ですから、100点満点中70点を取ったのであれば、まずは70点取るために、どんな

努力をしてどんな工夫をしたのかといった部分にフォーカスを当ててみるのです。

70点分を認めてもらえると、「もっと頑張ってみよう」と、やる気もわいてきます。

 

例えば「もう生きていてもしょうがない。死にたい」と語っている相手に対して、

「なぜ死にたいのか?」と質問すれば、死にたくなる理由をどんどん語らせることに

なるので、余計に死に対する願望を強めてしまいます。

 

そうではなくて、

「そんな苦しい中でも、どうやって、今日まで生きてきたの?」

「何が生に対する原動力になっているの?」

こうしたことを語ってもらうことで、「生」に対する願望を強化することができます。

 

これをカウンセリングの世界でコーピングクエスチョンとかサバイバルクエスチョン

と呼びます。

 

指導の場面でも、同じことが言えると思います。

 

つまり、出来ていない部分、欠けている部分にフォーカスするのではなく、少しでも

できている部分にフォーカスしていけば、相手の自信を強化しやる気を引き出せる

いうことですね。

 

 

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

 

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