こんにちはメンタルトレーナーの吉田です。
「もしかして、自分ってKYなんじゃないかしら…」こんなふうに感じたことってありませんか?
例えば職場で、
・周りが盛り上がっている会話に自分だけついていけない
・自分が会話に入ると急に話が盛り下がるような気がする
・何回説明しても「言っていることがよくわかりません」と言われる
・相手の話がイマイチ理解できないときがある
・会議でわからない点について質問したら、周囲から変な目で見られたことがある
・相手に質問をしたつもりでも「質問の意味がわかりません」と言われたことがある
こうした状況に気づいたとき「あれっ? もしかして私ってKYなの!?」こんなふうに感じるかもしれません。
なぜ、こうした「自分一人だけ浮いた状態」が起きるのでしょうか?
今回は「もしかして自分ってKYかも…」となっている原因とその対策についてお話しします。
原因その1:その場のリーダーが誰かに気づいていない!?
あなたは「場」に入る時、その「場」の中心的人物、つまりリーダーが誰かわかっていますか?
職場でいうなら一般的には上司になるでしょう。会話の中ではリーダーの表情、興味関心の方向に気を配りましょう。
例えば、
Aさん(上司) | 大の野球好き |
Bさん | 大のサッカー好き |
Cさん | 大のサッカー好き |
あなた(Bさん、Cさんの同僚) | 大のサッカー好き |
あなた以外の3人が休憩中にサッカー談義で盛り上がっています。よくみると上司のAさんは、笑顔で相槌を打っているものの、ほとんど自分から話題を持ち出したりはしていません。
さて、こうした「場」にあなたが入る場合、どんなふうに入っていきますか??
1、とりあえずサッカーの話題に合わせ、まずは様子を見る
2、入るやいなや「部長、昨日の野球の結果はどうでしたか?」とAさん(上司)の好きな話題に180度変える
3、話題とは全然関係のない当たり障りのない仕事の話しをAさん(上司)に振る
4、このいずれでもない
まずは、1番目から見ていきましょう。
こうした入り方も決して悪くはないのですが、もしAさん(上司)がサッカーの話題に内心いい加減うんざりしていたとしたらどうでしょうか?
そこにあなたが入って、さらにサッカーの話題に入ってしまったら…。
最悪の場合、Aさんはその場を立ち去ってしまうでしょう。そしてAさんから「あいつは空気が読めないな…」こんなふうに思われてしまうかもしれません。
では、2番目はどうでしょうか?
これも悪くはありませんが、これはこれで今度はBさんとCさんから「あいつは空気が読めない奴」とか「ゴマスリする奴だ」と思われる危険性もありますね。
もしかしたらAさん(上司)からも「随分、強引な奴だな」と思われてしまうかもしれません。
では、3番目はいかがですか?
別に悪くはありませんが、休憩中ということを考えると、それはそれで微妙に「空気の読めない奴」と思われるかもしれませんね。
では、こうした場合どう対処すると、Aさん(上司)、Bさん、Cさんの3方向丸く収める「場」への入り方ができるでしょうか?
そして「空気の読める人」になれるでしょうか?
原因その1への対策
それは「あれ? Aさん(上司)って結構サッカーお詳しいんですね」などと、その場の話題を保ちつつ、まずは会話の主導権をAさん(上司)に振るのが得策のようです。
もしAさん(上司)がサッカーの話題を続けてもいいと思っているなら、Aさん(上司)自身がサッカーの話題を切り出すでしょう。
そしてもし、もしサッカーの話題をいい加減切り上げたいのであれば「いや〜、実はよくわからないよ…」と、ちょっと苦笑いな展開になるので、その際には、すかさず「あ、そういえば野球がお好きでしたよね? ところで、昨日の試合はどうだったんですか?」と、話しを野球談義に持ち込めばいいということです。
ここでのポイントは、常に場のリーダーを探し、そのリーダーに、まずは話しを振ってから様子をみるということですね。
原因その2:知識や経験がなさすぎる
はじめての職場、はじめての仕事など、これまで全く見も知らないはじめて体験するような状況では、そう簡単に会話は成立しませんよね。
僕が会社員時代、周りがゴルフ談義で盛り上がったりしても、ゴルフを全く知らない僕としては完全にひとり取り残された状態…。アウェーの風が吹きまくりの状態になっていました。
そんな時に、無理やり会話に混ざろうとすると、かなりトンチンカンな会話になり、余計にみじめな思いをするということも…。
「だったら、少しくらい勉強したらいいじゃないですか?」
そう思われるかもしれませんが、そもそも興味のないものはいくら勉強したって頭に入るワケもなく…。
また、もし勉強したとしても、付け焼き刃的な知識や経験をひけらかせば「ど素人」とみられる恐れもあり、余計にKY街道まっしぐら…。
かといって、しっかりとした知識や経験を積み重ねるには、やはり時間がかかるワケで…。
その間、ずっと会話に入れないと、それはそれで「話せない奴」という見方をされてしまう恐れがありますよね。
では、知識も経験もない中で、堂々と会話を成立させ「あいつは話せるやつ」と思わせることってできるのでしょうか?
原因その2への対策
もちろん堂々と会話を成立させることはできます。実際、僕はそうやって乗り切ってきましたし、知識や経験を知らなくても、どんどん話しを盛り上げることもできました。
それは特殊なことは何一つありません。ましてや手元にカンニングペーパーを用意して会話に臨むなどのテクニックとも無縁です。
何をすればいいのかと言うと「いま現在に至るプロセスを聞く」のです。
「いつから始めたのですか?」「そのきっかけは?」「最初の頃に苦労をされたことってなんですか?」「どれくらいやられているのですか?」「どんな時にやってて良かったって感じますか?」etc…
もし話題が仕事の話題であれば「この仕事を始めるきっかけって何だったのですか?」「すごい大変だったエピソードってなんですか?」「すごいうれしかったエピソードってなんですか?」こんなふうにして「私はあなたの話しに興味があるんですよ!」という姿勢全開で、目を輝かせて質問をしていくのです。
もちろん相槌、うなずき、驚愕、驚嘆も全開です^_^
そして過去の話しが一段落してきたら、今度は「未来」に話題を切り替えてみると、より会話に深みが増すでしょう。
例えば「来年はどんなふうにやれたらいいと思いますか?」こう質問するだけ、相手の頭の中では一瞬で未来の成長した自分像を描き出します。これだけでも相手の感情は高ぶり、あなたと会話することの満足度も格段に向上するのです。
こんなふうに、知識や経験がなく、まったく話題についていけなかったとしても「いま現在に至るプロセス」について興味関心を持って質問していくだけで、会話がとても盛り上がるだけでなく「あいつは話しがうまいやつだ」という印象を与えることもできるのです。
無理に話そうとするから墓穴を掘る。相手(場)に興味関心(好奇心)を持ってドンドン質問してみよう
周りが盛り上がっているのに突然無口になる。周りが盛り上がっているのに急に話題を変える。「それだけはやめて!」というような、言ってはいけないタブーを平然と言い放ち凍りついた空気に気付かない…。
こうしたことは、すべて興味関心の矛先が「自分」に向いているから起きるようです。
コミュニケーションとは双方向になってはじめてコミュニケーションです。一方通行はコミュニケーションとはいいません。
自分の関心ごとを中心に場と関わろうとするのではなく、まずはその場で起きていることに興味関心を向けてみましょう。
そして誰がその場のリーダーなのか観察しましょう。
無理に話題を発信しようとせずに、まずは興味関心を持って質問しながら場の空気を十分に温めましょう。相手が十分に満足したなら、自然にあなたの興味関心ごとに話題が戻ってきますよ。
番外編:ちょっと面倒なケース
最後に番外です。
あなたの同僚のAさんとBさんとCさんが、なにやら楽しそうに会話をしています。あなたも会話に混ざろうと、その輪の中に入っていきました。
すると…
その会話の内容は、上司の悪口でした。
さらに、あなたも内心ではその上司が実は嫌いだったとします^_^
さて、その輪の中に入ってしまったあなたは、どうしますか?
1、一緒に上司の悪口を言って大いに盛り上がる
2、「私、人の陰口はちょっと…」と言ってその場から離れる
3、「そお? 私は嫌いじゃないな〜」と、上司をかばう発言をする
4、その他
まずは、1番目から見ていきましょう。
同僚3人と一緒になって悪口で盛り上がる。実際これって楽しいですよね? 実は、僕は同じようなシチュエーションで一緒になって盛り上がったことがあります。その時は、なんとなくスッキリしたような気分になりました。
「人の不幸は蜜の味」って言いますが、これは科学的にも証明されていて脳内の快楽物質がでるそうです。ある意味、悪口も同じノリですね。
参考書籍:なぜ他人の不幸は蜜の味なのか (幻冬舎ルネッサンス新書 た-9-1)
ですが、その後…
ある同僚が何の悪気もなく「吉田君って、◯◯さん(上司)のこと嫌いなんだって!」と、別な人に話したのです。そして、それを聞いた人が、また別な人に話し、さらにまた別の人に話し…。
そして最後に上司の耳に入ってしまいました(T_T)
ここから何を学んだかというと、
「絶対に人の陰口は言わない」「陰で言うなら悪口ではなくて、その人のことを褒める」
ということ。なので、実は1番はまるでオススメしません。
では2番目を見てみましょう。
これってかなり勇気のいる行為ですね。でも、誰かが勇気を出して発言することで、周りの人たちも陰口を言っている自分に「はっ!」と気づくかもしれませんね。ベストはこの選択だと思いますが、どうも現実はそう簡単にはいかないようです。
どういうことかと言うと、Aさん、Bさん、Cさん達から「なんだよ、カッコつけやがって!!」と、KYの烙印を押されてしまう可能性が高いということです。最悪の場合、Aさん、Bさん、Cさんらとの関係性が壊れるばかりか、無視されたり、嫌がらせを受ける場合も…。
「それでも構わない!!」という方ならいいのですが、そうじゃない場合は控えた方がよさそうです。
3番目はどうでしょうか?
このケースも、うまく「場」が動けばいいのですが、失敗すると2番目と同じ結果になる可能性が高いですよね。
「なに? 一人だけいい子ぶっちゃって!」みたいな…。
「場」を形成している人から、一度でも敵対視されてしまうと、なかなかそれを打破するのは大変です。
「多勢に無勢」と言いますが、よほどドラスティックなことでもない限り、一人の力で「場」全体を変えるのはやはり大変なワケですよ。
ということで、またまた「その他」になっておりますが、実際、どんなふうに「場」に入ればいいのでしょう?
それはどんな方法かと言うと「何事ものなかったかのように通り過ぎる」です。
「え〜っ!! それですか!?」
まあ、もうしばらくお付き合いください。
あなたが、上司の悪口で盛り上がっている輪の中に何も知らずに入ると、あなたの耳にはすぐに誰かの悪口が聞こえてきます。その時、それが上司の悪口だろうが誰の悪口だろうが関係ありません。悪口だとわかった時点で、間違っても「今の誰の話し?」と聞いてはいけません。なぜなら、聞いてしまったら後戻りできないからです。
そうではなくて「あっ、誰かの悪口で盛り上がっているんだ…」と気づいたら、その瞬間に躊躇することなく輪の中から離れましょう。離れる理由はなんでもいいのです。
「何話してたの? ちょっと面倒な仕事頼まれちゃって急いでいるから…」とか「私も話しに入りたいのに、ちょっと急いでいるから…。後で教えてよ!」とか言いながら、会話の中に入ろうとしたのではなくて、どこかにいくついでに話しかけたくらいの勢いで、まずはその「場」を離れましょう。
今回はここまでです。
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