こんにちは
仙台のメンタルトレーナー吉田です。
親であれば、誰もが『将来自立して成熟した大人になって欲しい』という
願いを持っていると思います。
書店にいけば沢山の「子育て論」の本が並び、
ネットで検索すれば無数に子育てに関する情報が入手できるので、
一昔前とは違いはじめて子育てをする親でも安心できる環境が整っています。
ですが、
職場の人間関係や親子関係、夫婦や友人関係などの人間関係、
メンタルが弱く自信が持てない、過度の不安や緊張など、
自分自身との関係性について心の悩みを抱えた方の多くは、
未成熟な親子関係の中で育っていることがとても多いことに気づかされています。
そこで今回は、これまでメンタル不調の方とのセッションの中で、
「子供時代にこういう関わりを親御さんがしてさえいなければ、
こんなにも心に闇を抱えることはなかったはず…」
というものの中から厳選して10個(後半5個)をお話したいと思います。
これから子育てを始める方、
すでに子育ては終わったけれど、いま親子関係がうまくいっていないという方に
少しでもお役に立てれば幸いです。
メンタルを弱める子育て習慣6:過度な「完璧さ」を求める
人間関係がうまくいかないという悩みを抱えている人の多くは、
「完璧な自分」「理想の自分」を追い求めているせいで
いつも緊張を強いられて苦しんでいる…。
ありのままの自分を否定したり嫌悪しては
「完璧な自分」「理想の自分」を追い求めているせいで
頑張れば頑張るほど自信を失っていく…。
こうした特徴を持っています。
その背景には、
「完璧な自分じゃないと見下されるのではないか?」
「完璧な自分じゃないと嫌われるのではないか?」
「完璧な自分じゃないと負けてしまうのではないか?」
「完璧な自分じゃないと評価を下げられるのではないか?」
こうしたことへの強い恐れの心理があります。
こうした方は、親から
「もっとしっかりやりなさい!」
「もっとちゃんとしなさい!」
と、具体性のない完璧さを過度に求められたり、
「あなたはやればできるんだから」
「あなたはいい子なんだから、○○ちゃんのように
お母さんをこまらせたりはしないわよね??」
と、何かと期待に対する結果を要求されたり、
「自分でやると決めたなら最後までやりなさい!」
と、ゴールの見えない頑張りを強いらるような
振り返ると苦しくなる経験を持っています。
とはいえ、
大なり小なりこうした経験は
多くの方も持っているかと思います。
ですが、完璧を追い求めて苦しんでいる人の場合は、
親の期待に応えれないと、親が
・過度に落ち込む
・急に言葉遣いや態度が荒くなる
・ヒステリーを起こす
・言葉や身体的な暴力を振るう
・無視する
・大切なものを奪われたり捨てられる
こんなふうにして、
「恐れ」や「罪悪感」「無価値感」などを感じさせられて
精神的にも肉体的にもどこまでも追い詰められるような
振り返りたくない経験を持っています。
こうした経験を重ねていくと、
頭では「そこまで頑張る必要はないかも…」とわかっていても、
身体が「もっと頑張らないと嫌な目にあう」と反応してしまい、
どこにいても完璧な自分でいようと、いつも緊張を強いられ、
ありのままの自分を抑圧しながらどんどん疲弊してしまうのです。
メンタルを弱める子育て7:被害者意識を植え付ける
「歯を磨かないと虫歯になるよ!」
「着替えないと風邪をひくよ!」
「宿題しないと先生に怒られるよ!」
こんなふうに、「それをやらないと嫌なことが起きる」といった
行動の動機を刷り込んだり、
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」
「弟(妹)なんだから」
「とにかく決まっているの!」
などと、理由のようでいて実はなんの説明にもなっていない動機で
何かをやらせたり我慢させることが「しつけ」と勘違いしている人は
少なくないのではないでしょうか。
私たちの行動の背景には、意識しているしていないに関わらず
必ず動機があります。
人間関係で悩みを抱えている人の多くは、
「嫌われたくない」
「見下されたくない」
「恥ずかしい目に会いたくない」
「仲間外れにされたくない」
こうした、不快を避けたいという動機にもとづいて
コミュニケーションを頑張っています。
なぜなら、動機とはそういうものだと
何世代にも渡って親から学んできたから。
怒られたくないからやるみたいな…。
ですが、不快を避けようと頑張れば頑張るほど、
実は避けたい不快が現実化しやすいのです。
親は被害者意識にもとづいた動機の考え方ではなく
目的意識の動機を刷り込まなきゃですね。
メンタルを弱める子育て8:子供を所有物として扱う
所有物とはどういうことかというと、
子供をあたかも「喋るヌイグルミ」「愛玩動物(ペット)」のように
扱っちゃっているんです。
具体的には、
パートナーの愚痴を言う、近所の人の悪口を言う、
姑の愚痴や悪口を言う、ママ友の悪口を言う etc…
子供の気持ちに関係なく、親の気の向くまま子供に、
その時のストレス感情をぶつけてしまう…。
こんなふうに一方的に感情を受け入れざるを得ない環境で育つと
他人との微妙な距離感を推し量ることができなくなります。
他者との境界線がわからないんです。
たとえば、職場の先輩が親切に色々と教えてくれる行為を、
「個人として仲良くしてくれている」と勝手に勘違いして
やけに馴れ馴れしくしてしまい、相手が離れていってしまう…。
自分と他者との踏み越えてはいけない一線、
踏み込んでもいい一線、
言い換えるなら関係性の「境目」がわからないと、
こうした人間関係を繰り返します。
あるいは、本当は踏み込んでほしくない領域にまで
他者にズカズカと土足で踏み込まれているのに
どうしても抵抗できずに苦しんでしまう….。
幼い頃からあたかも親の所有物として扱われてしまうと、
成長するに従ってこうしたことで人間関係のトラブルを抱えやすいようです。
メンタルを弱くする子育て9:自活させても自立させない
「ああ大変…」と口では言いながら
いつまでも赤ちゃんをあやすかのように
掃除、洗濯、食事の世話はもちろん、
友達関係、進路、部活、恋人関係、就職先、結婚相手、さらには
子供の数まで口を出す。
「あなたのために言っているの」と言いながら、
親の言うことを聞くことで「認められたい」「愛されたい」という
子供の根源的な欲求を逆手にとっては、
親の価値観の中にいつまでも閉じ込めようとする。
子供を意のままにコントロールしようとする。
「まったくウチの子は幾つになっても子供なんだから…」と
ママ友に愚痴をいいながらも満面の笑顔でいる。
そんな親の価値観の中から抜け出せない環境で育った子供は、
自我が確立できないので、身体は大人でも
心は傷つきやすい子供のまま止まってしまいます。
就職して一人暮らしを始めて「自活」はできても、
自分が本当に好きなことは何か?
自分が本当にやりたいことは何か?
自分が本当に生きたい人生とはどんな人生なのか?
こうしたことがわからない。
いつも誰かの評価を気にしながら、
顔色を伺ってはビクビクして生きている。
自分の価値観で生きるということがわからないので、
選択や決断が怖くてできない。
要するに「自立」ができないのです。
親自身が自立できていないと
子供の自立をあれやこれやと阻んでしまうんです。
メンタルを弱くする子育て10:恐れを植えつける
私たちは「不快を避ける」という本能を持っています。
不快の最たるものはやはり、痛みや苦しみの行き着く先にある「死への恐怖」。
そして「世界の中でひとりぼっちを感じる孤独の恐怖」ですね。
私たちはこうした人が持っている本能的な恐怖を利用して
”しつけ”と称して子供をコントロールすることがあります。
たとえば、
スーパーで駄々をこねる子供に手を焼いたとき、
「お母さんはもう行くからね!」と泣きわめく子供を
置き去りにしてひとりぼっちにする。
親の価値観に合わないことを子供がしたとき、
外に放り出したり、縛ったり、叩いたり、必要以上に大声で罵倒したり、
必要以上に親が悲しんだり、ガッガリしたり、
食事を与えずに無視したり…。
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)はできたのに」
「隣の○○ちゃんはできるのに」
と、何かと他者と比較しては自尊心を傷つけ痛みを感じさせる。
こうやって心身への痛みを感じさせては、
「恐怖」で子供を服従させるわけです。
どうしてそんなことをするのかというと、
親自身もそういう教育をされてきて、
それが正しいと思い込んでいるから…。
ということで、子供のメンタルを弱めて自己肯定感を下げてしまう
やめるべき子育て方法のうち10個をお伝えしました。
感情って「頭」ではなく「身体」で感じるものです。
こうした育て方をされて成長すると、
頭ではわかっていたとしても、身体がいうこときかないという
激しい葛藤に苦しめられます。
身体が「恐怖」に反応して動けなくなるんです。
子育てとは、同時に「親育て」なんです。
お子様の健やかな成長を見守る裏側で、
親自身が自分の人生を振り返り、
反省するべきとこは反省して修正する。
労う部分はしっかり労う。
そうすることで成熟した大人へと親は成長するし、
成熟した大人に育てられた子供は
健全にスクスクと育つってことですね。