こんにちは、仙台のメンタルトレーナー吉田です。
今回は、何かとご相談の多い、
セールス(営業)のアポ取り電話をする際、
相手(見込み顧客)に断られない方法についてです。
セールス(営業)の電話を受けた側の心理とは
あなたも、ご自身の職場や自宅にセールスの電話がかかってきた時、
面倒くさいと思ったり、ほとんど話しも聞かないで電話を切ったりすることがあると思います。
突然、何の前フリも無くあなたの時間をムダに奪おうとするなんてもってのほかだ!と思うワケです。
でも、いざ自分がセールスや営業の電話する側になると、
そんなことはすっかり忘れて、『売り込み』の電話をしてしまったという経験があるのではないでしょうか?
自分がされると不快なことでも、いざ自分がやる立場になると、結果を残さなくてはいけないと言うプレッシャーからか、どうしても『自分視点』になってしまうということですね。
そして、そういう時には「お忙しいところ申し訳ありませんが・・・」と言いつつも、とにかく会って話しを聞いて欲しい、とにかく買って欲しいという脂ぎった欲求が、ありありと声のトーンに出ていたりするものです。
それとは逆に、同じように電話をするにしても、
人によっては、あまりにも相手の立場になり過ぎて、
極端に下手に出てしまうというケースもあります。
「すいません」「申し訳ありません」のオンパレードという具合です。
これでは、電話を受けた相手は何のために電話をもらったのか理解に苦しみます。
なので、余計に不愉快になったりします。
こういったケースは、自分の扱っている商品やサービスに自信がなかったり、
自分の価値観や信念に反するような商品やサービスを売ろうとしているときに起きがちなようですね。
いずれにしても、そういう人から商品やサービスを買おうとは、あまり思わないですよね。
ちなみに、あなたなら営業とわかる相手から突然電話があったら、最初にどんなことを考えますか?
きっと、時候の挨拶のようなお決まりの部分は全て聞き流して、こんなことを考えているのではないでしょうか?
・話しを聞いたら、契約させられるかも。
・話しを聞いたら、買わされるかも。
・話しを聞いたら、加入させられるかも。
・そもそも話しを聞いたら、あとあと断るのが面倒だな・・・。
だったら、最初から聞かないようにしよう!よし、断ろう!
このように、セールス(営業)に入る前のアポの段階で、
すでに相手は「NO」という腹づもりをしてしまっているワケです。
ですが、売り手側としては、扱っている商品(サービス)が何であれ、
「売り手の立場」でセールストークを組み立ててしまうケースが多いようです。
「私、◯◯不動産の▲▲と申します。実は◯◯駅から徒歩5分の分譲マンションのご案内で・・・」と伝えた瞬間に、
「マンション購入は考えていませんから」と断られてしまうのです。
でもこれは仕方の無い事だと思います。
売り手は「売りたいもの」が明確なわけですから、
売ろうとしている商品やサービスの詳細を説明してご理解頂きたいという心理が働くワケです。
しかし、商品やサービスの説明以前にアポの段階で断られてしまうと、
あなたの目的はいつになっても達成できませんね。
なんとかアポを取ってその先に進まなければ、
いつまでたっても「見込み客」とはならないのです。
また、業界によっては、その業界の法律によって、
始めに伝えなければならないことが規定されている場合もありますが、
「どう伝えるか?」については十分工夫する余地があるはずです。
アポ取りの段階で拒否されない購買心理の原則
全てはアポからスタートするのですが、
このアポ取りの際に基本中の基本としては、
自分がお客さまの立場だとしたら、
されたら「うれしい」「興味が湧く」と思うようなことをすればいいということです。
とてもシンプルですね。
例えば、
・今よりも生活が豊かになった自分がイメージ出来る
・今まで解決出来なかった問題が解決してスッキリしている自分がイメージ出来る
・想像もしていなかったようなことが出来そうな気がしてくる
・このままでは大損してしまうかも知れないと気が焦る
・ちょっとしたうれしい驚きが含まれている
こんな感じです。
お客さまが、今よりも幸せになっている未来の自分がイメージできるような話しであれば、
慌てて電話をガチャ切りしようとは思わないのです。
何故なら、人は「自分が得をすること」「自分が損をすること」には、抵抗し難い興味関心があるからです。
自分が扱っている商品(サービス)をストレートに売り込むのではなくて、
その商品(サービス)を購入することで
未来の自分がハッピーになっている姿がイメージできるようにトークを組み立てることが大切です。
では、さらに具体的に入っていきましょう。
アポ取り電話でおさえるべき4つのポイント
はじめに、残念なアポ取りの事例で書いてみましょう。
ここまで残念だとちょっと悲しいですが、
案外、こういったトークでセールス(営業)しているケースってあるんですよね。
今回は分譲マンションの電話セールス(営業)のケースです。
トゥルルルルルル・・・・
奥さま「はい、◯◯です」
営 業「こんにちは、▲▲建築(株)の吉田と申しますが、奥様でいらっしゃいますか?」
奥さま「そうですが・・・」(奥さまの心理:なんだろう?また住宅の売り込みかしら?どうせまだ数年は買わないのに・・・。面倒くさいな)
営 業「お世話になっております。私▲▲建築(株)の吉田と申します。本日は、駅まで徒歩5分の素晴らしい環境にあるお得な分譲マンションのご案内でお電話差し上げたのですが・・・」
奥さま「ああ、マンションは買うつもりありませんので結構です」
ガチャッ! プー プー プー
いかがでしょうか?
これでは、よほどマンションを探している人や、
興味がある人に偶然当たらない限り、アポすら取れないと思います。
アポを取りやすくするためには必ずおさえておきたい4つの注意点があります。
- 売り込みと思わせない
- 知らないと損をすると思わせる
- 自分に無いと後々困ると思わせる
- もっと聞かせてほしいと思わせる
この4つの観点からセールス(営業)のアポ取りトークを考えておきましょう。
この4つをクリアーしたトークであれば、
話しの途中で「ガチャ切り」される確立はかなり低くなるはずです。
あなたが何のセールスや営業をしているにせよ、
あなたの電話の先にいるお客さまより、
あなたの方がその商品やサービスについて圧倒的に詳しいはずです。
つまりお客さまから見たら、あなたはプロなワケです。
ということは、「知っておかないと損をする」「知らないと後で後悔する」
「知っていると得をする」というような、
プロだからこそ知っている知識や裏技が、実は沢山あるはずです。
それを教えてあげるようなトークにすることで「ガチャ切り」されずに済むと思います。
例えば、
トゥルルルルルル・・・・
奥さま「はい、◯◯です」
営 業「こんにちは、▲▲建築(株)の吉田と申しますが、奥様でいらっしゃいますか?」
奥さま「そうですが・・・」(奥さまの心理:なんだろう?また住宅の売り込みかしら?どうせまだ数年は買わないのに・・・。面倒くさいな)
営 業「お世話になっております。私▲▲建築(株)の吉田と申します。実は、あまり知られていないのですが、×××地区の賃貸物件に3年以上住んでいる方が、毎年◯万円損をしてしまっているとある調査結果から判明したのです。そこで、地元に根ざしている私ども▲▲建設の者としては、至急お伝えしたいと思ってお電話さしあげたのです」
奥さま「え、どういうことですか?何を損しているのですか?」
営 業「個別に現状をお伺いしないと詳しくはお伝えできませんが、ちなみにそちらの×××地区の方ですと、今の賃貸の家賃や居住年数にもよるのですが、概算で年間◯万円くらい損をしている計算になるようですね。もし毎年◯万円余計に使えることができたら、どんなことをしてみたいですか?もし興味があるようでしたら、伺ってお話を差し上げますがいかがいたしますか?」
奥さま「そうね・・・一度来てもらおうかしら」
営 業「では、来週であれば週の前半と後半だったらどちらがいいでしょうか?」
奥さま「来週なら前半がいいですね」
いかがでしょうか?これでアポ取りは完了です。
「×××地区の人が年間◯万円損している」の部分は、
先日コンサルで提案したばかりなので明かせませんが、
いずれにしても「噓」ではなくて、れっきとした「事実」を説明しています。
このように相手が気づいていない潜在的な問題を明らかにされると、
その問題を何とかして解決したいと思うようになります。
まとめ
電話した相手の方に、「これは何かを売り込もうとしている」と思われたら
アポの電話は失敗する可能性が高くなります。
ポイントは、あなたが相手(見込み客)の立場になって実際に電話を受けた時に、
何を聞きたいと思うのかを考えてトークを組み立てるということです。
あなたが勧めようとしている商品やサービスが、
電話の相手にどれだけプラスになるのか、
そしてどれだけ豊かになるのかをイメージさせるようにトークを組み立てるということです。
例えば、上の事例で黄色で反転させた部分ですが、
これはNLPで「フューチャー・ペーシング」と言って、
未来の姿を想像させることで、よりモチベーションを高める方法です。
これも強力なテクニックですので、別の機会に詳しく書いてみます。
これで、今まで以上にアポが取りやすくなると思いますよ。