こんにちは、
心と言葉を科学し、なりたい自分へのブレイクスルーを巻き起こす。人やチームのポテンシャルを引き出し『価値』を高める、ブレイクステート代表 メンタルトレーナーの吉田です。
あなたは、ビジネスやプライベートで、
「どうしてあの人は分かってくれないのだろう?」 |
こんなふうに感じた事はありませんか?
これらの問題が起きる原因の多くは、「自分の主観的なモノの見方(自分の世界モデル)」という一方向だけで、相手を見ようとしているときに起きるようです。
ちょっと、こちらのイラスト図をご覧下さい。
真ん中に、コップのような物体がありますね。
あなたはAさんだとしましょう。
そして、あなたの目には、その物体は完全に「黒いコップ」にしか見えていなかったとします。
しかし、相手であるBさんには、その物体が完全に「人の顔の模型」にしか見えていません。
ここに、大きなコミュニケーションギャップが生まれています。同じものを、全く違う観点から見ているというのが、実は私たちの現実世界で起きていることなのです。
そして、Aさん、Bさん、物体の3つを客観的に見ているCさんは、ここで起きている全ての出来事を俯瞰(ふかん)しながら状況を把握しています。
このように、ある1つの視点からだけで物事を見て、「それが正しい」と思い込んでしまうことで、私たちはどれだけ多くの問題を引き起こし、そしてどれだけ多くの時間、頭を悩ませているでしょう?
なぜ、もっとバランス良く物事を見る事が出来ないのでしょうか?
相手の世界モデルを知る
私たちは普段、「自分の主観的な視点」で物事を見て体験しています。NLPでは、それを「世界モデル」と呼びます。
自分が面白いと思った映画やテレビは、「相手も面白いと思うに違いない」と思ったり、
あるいは、自分が美味しいと思った食べ物は、「相手も美味しいと思うに違いない」と思ったりします。
あなたが誰かに、あなたの主観的な体験を伝える時、その相手が、友人や恋人、配偶者などの仲の良い間柄なら、あなたの話しに興味や関心を示しながら話しを合わせたりするかもしれません。
でも、こと利害が絡むビジネスの世界ではそうはいきませんね。
どんなにあなたが、「これは素晴らしい画期的な商品(サービス)です!」と力説したとしても、それはあくまでも「あなたの主観」なのです。相手は、全く違う観点のものを求めているかもしれないのです。
また、あまりにも「相手の立場、相手の目線」に偏り過ぎる事で、ビジネスで損ばかりするということもあるかも知れません。
ですから、自分の主観的な視点に意識的に介入し、多面的に物事を見てみることが、とても大切になります。
そうすることで、問題解決の糸口を掴む事ができるようになるのです。
NLP(神経言語プログラミング)では、
「相手の世界モデル(相手のモノの見方)を尊重する」 |
という大切な前提があります。ようは「バランス」ですね。
あなたは、この「相手の世界モデル」に立って物事を見てみるNLPのテクニックを知りたいと思いませんか?
3つの知覚位置(Perceptual Position)
物事には「裏と表」があるように、どんな状況においても「完全に正しい」という見方はありません。ですから多面的な観点から物事を見ることが大切です。
NLP(神経言語プログラミング)では、3つの視点(ポジション)から物事を見る方法を提案しています。
第1ポジション:自分の主観的な視点 |
これは、あなたの主観的な視点。あなたが見て感じている「あなたの現実世界」からの視点です。
「自分はこう思っている」「自分はこう感じている」という視点ですね。
第2ポジション:相手の視点 |
これは、相手(他者)の視点から物事を見ている視点です。
この第2ポジションの視点には、大きく2つあります。
1つは「感情的な視点」です。相手がどのように感じているのかを、相手に成りきり、相手の世界から感じてみます。
そしてもう1つが「論理的、知的な視点」です。相手がどのように思考し論理立てているのか、どのようなアイディアを持っているのかを、相手に成りきり、相手の世界から感じてみます。
第3のポジション:第三者の視点 |
これは、「あなたの主観的な視点」「相手(他者)の視点」の2つ視点から出て、全体を俯瞰(ふかん)して見てみるということです。
ここでは、あなたと相手の関係性も同時に見る事ができます。
視点の位置を変えてみる(Position Change)
では、視点を変えて物事を見て行くための具体的な方法に入っていきましょう。
NLPでは、この方法を「ポジション・チェンジ」と呼んでいます。
先ほどの3つの視点(視点の位置=ポジション)を踏まえた上で、第1から第2、そして第3へと移行しながら、そのポジションでどんなことを考え、感じるかを「思考」「感情」「行動」を通して体感していくのです。
その際には、実際に身体を動かしながら、相手に成りきって感じて行きます。
<ステップ1:準備>
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ここまでが準備のステップです。
<ステップ2:第1ポジションから見てみる>
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ここまでがステップ2です。
<ステップ3:第2ポジションから見てみる>
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ここまでが、ステップ3です。
ポイントにも書きましたが、「相手に成りきること」がここの一番のキモになります。もしかしたら、少し演技力が必要になるかも知れませんね。
<ステップ4:第3ポジションから見てみる>
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ここまでが、ステップ4です。
多くの場合、このステップ4の段階で、自分の視野の狭さに気づいたり、相手の隠された思いや思考に気づいたりするようです。
ステップ5:第1ポジションで全てを受け取り統合する
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この「ステップ1」から「ステップ5」までを1つのサイクルとして、問題解決の糸口が見つかるまで、このサイクルを回して行きます。
ポジション・チェンジの応用
私が行うコーチングなどの個人セッションでも、このポジションチェンジを使う場面が案外多いです。
なぜなら、ビジネスでもプライベートでも問題の多くは、
「言いたいけど言えない」
「言っているのに伝わらない」
「これ以上何も言われたくない」
「相手の意図がよくわからない」
このような、人間関係に端を発していることが多いからだと感じています。
実際には、各ステップの順番を入れ替えたり、椅子ではなくて身近な小物を使ったりなど、クライアントの抱えている問題に合わせて柔軟に設定を変えたりするのですが、オーソドックスなやり方としてはこんな感じです。
NLPでは柔軟性をとても大切にするのですが、このポジション・チェンジも同様に、様々な場面で応用できます。
・大切な事を言えなくてずっと後悔していた相手に、それを伝えることでの癒しを得たい時 ・ターゲットとする顧客像をマーケティングする時 ・重要なプレゼンや商談に向け、内容をブラッシュアップしたい時 ・顧客視点を身につけたい時 ・管理職やリーダーとしての視点を身につけたい時 ・親子、友人、恋人、夫婦などの人間関係を改善したい時 ・自分自身の進路に迷い、メンターからの助言を得たい時 etc… |
ビジネスでもプライベートでも、そうとう活用範囲が広いテクニックです。
是非、参考にして下さい。
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