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苦情をクレームに発展させないためのコツ ビジネス心理学

 

こんにちは、仙台のメンタルトレーナーの吉田です。

 

企業さまや自治体さまから「クレーム対応」の研修依頼を受けることが多いです。

それは「顧客心理の理解」と「受付側のメンタル強化」をセットでやらないと、

クレーム対応力はいつまでたっても向上しないと現場の方が気付いているからです。

 

そこで、今回の記事では「顧客心理の理解」を中心にクレーム対応のコツについて

お話しします。

 

苦情とクレームの根本的な違い

 

まずはじめに言葉の定義を確認しておきましょう。

 

・新品の時計を購入したのに電池が切れた。どういうことだ!

・取り扱い説明書が入っていなかった。どういうことだ!

・18時閉店と表示しているのに17時頃から片付け始めている。どういうことだ!

 

こうした、あるべき姿に対して提供側に問題があって発生するものを「苦情」と呼びます。

英語で書くとComplaintです。

 

では、クレームとはどういうものを指すのでしょうか?

もともとクレーム(Claim)には 、こうした意味があります。 
    

▶︎主な意味
(当然のこととして)要求する、要求する、請求する、返還を要求する、(要求によって)獲得する、(矛盾や異議があっても自信をもって)(…を)主張する、主張する、言い張る、引く、値する、(正しいこととして)主張する
原義は「叫ぶ」で,だれがなんと言おうと「それは正しいことである」と言い張るという意味合いがある。

 

つまり「矛盾や異議があっても」「誰がなんと言おうと」一方的に主張する

といった、かなり理不尽な要求のことをクレームと言います。

 

簡単にまとめると、

☑️ 苦情=正当な理由に基づく原状回復や改善要求

☑️ クレーム=一方的な主張による理不尽な要求

と言うことであり、苦情なのかクレームなのかによって対応方法は決定的に

変わるということですね。

 

ところが、実務的な視点で言うと、苦情が積み重なる、あるいは苦情への対応に

問題があったためにクレームに発展しているケースが非常に多いと感じています。

 

前職でコールセンターの教育担当をしていたのですが、いわゆるハードクレーム

と呼ばれるものの9割以上は、最初から「悪意」のあるものではなく、

声として発せられていなかった小さな不満がずっと積み重なってしまったものや、

発せられた苦情への初期対応に問題があったものだと気づかされています。

 

いわゆる「プロ」のクレーマーは、本当にごくごくわずかです。

ですから、しっかりと顧客心理に寄り添いながらコミュニケーションをすれば、

苦情がクレームに発展することを抑制できるし、もっと言えば「ファン化」

することも十分に可能だということです。

むしろ、激しく感情が動いている時だからこそ、苦情が感動に変わるなんてことが

起きやすかったりするものです。

 

こちらの記事ではクレームに発展させることなく苦情の段階で相手と

しっかりと関係性を築くためのコツについてお伝えします

 

怒りの感情が生まれる理由

 

怒りの感情は「第二感情」と言われます。

期待が裏切られて「がっかりした」「傷ついた」「悲しかった」「怖かった」

「安全・安心が脅かされた」こうしたネガティブな思いがあって、

その思いを受け入れることができない時、それが「怒り」となって現れます。

 

期待(思い込み) > 結果

 

この構図が「怒り」を生み出しているということですね。

 

苦情やクレーム対応でよく言われる「心情の理解」とは、怒りの感情ではなく、

第一感情を理解しましょうということです。

ここがわかると、実は苦情やクレーム対応は

「受け身の対応」ではなく「攻めの対応」だといえます。

積極的に相手の心情を理解しようとしている姿勢を伝えていくからです。


苦情・クレーム対応がうまくいかない3つの理由


 

コールセンターで色々なケースのクレーム音源を聞いてきましたが、

苦情をクレームに発展させてしまう応対には次の典型的な3つの理由があります。

1、現状、すでに困っている相手に対して、お詫びができていない
2、感情を受け止めきれずに言い訳を言ってしまう
3、客観的な事実確認ができていない

では、一つずつ見ていきましょう。

 

1、現状、すでに困っている相手に対して、お詫びができていない


お 客:「配達予定時間に30分も遅れまだ届かないなんて、どういうことだ!」
あなた:「あ、はい、、、申し訳ありません・・・」
 
お 客:「お宅のお店の人の社員教育はどうなっているの?」
あなた:「はあ、、どちらのお店の件でしょうか?」

2つの事例を書いてみましたが、上記のどちらも、お客さまが困っていること

に対してお詫びができていません。

 

最初の事例は「申し訳ありません」とは言ってますが、何に対してお詫びの気持ち

を伝えているのか伝えていないため、お客さまはお詫びをされたと認知できません。

では、どのように受ければいいのでしょうか?

例えば、こんな具合です。

 

お 客:「配達予定時間に30分も遅れてまだ届かないなんて、どういうことだ!」
あなた:「30分も遅くなったにも関わらず、未だ到着していないということですね? 誠に申し訳ありません」
 
お 客:「お宅のお店の人の社員教育はどうなっているの?」
あなた:「社員教育について何かご不快なことがあったということですね? 不快な思いをさせてしまい申し訳ございません」

この2つの事例では、お客さまが何に怒っているのかを受け止めた上でお詫びの

気持ちを伝えています。

こうしたやり取りは、最初の第一声で起きることが多いのですが、この第一声で

ボタンを掛け違えてしまうと、その後の会話もずれたまま進みます。

相手が発した言葉を受け止め、それを相手に返しながらお詫びをしていきましょう。

 

2、感情を受け止めきれずに言い訳を言ってしまう

 

お 客:「配達予定時間に30分も遅れてまだ届かないなんて、どういうことだ!」
あなた:「実は途中で事故があって渋滞していたものですから・・・」
 
お 客:「お宅のお店の人の社員教育はどうなっているの?」
あなた:「お店の教育については、各拠点で行っておりまして・・・」

上の2つは、お詫びもしないばかりか、言い訳を被せてしまっています。

こうした反応をするということは、火に油を注ぐようなものです。

 

「担当部署が違うので・・・」こうした反応も最悪です。

お客さまからしてみたら担当が誰かはどうでもいい話です。

まずは、しっかりと相手の怒りの感情を受け止め、さらには言葉になって

いない心情までも相手に伝えていくことで「あなたは話のわかる人だ」と

思っていただく必要があるのです。

では、どのように受ければいいのでしょうか?

例えば、こんな具合です。

 

お 客:「配達予定時間に30分も遅れてまだ届かないなんて、どういうことだ!」
あなた:「30分も遅れて、未だに届かないことについて、ご心配とご不便をおかけしておりまして、大変申し訳ございません」
 
お 客:「お宅のお店の人の社員教育はどうなっているの?」
あなた:「当店の社員教育について、ご不快な思いをさせてしまったこと、誠に申し訳ございません」

この2つの事例では、お客さまが何に怒っているのかを受け止めた上で、さらに

「きっと、こういうことで怒っているんだろうな」と言う相手の心情を発した上で

お詫びの気持ちを伝えています。

 

相手の言葉に発せられていない心情を言葉にしてお詫びをしていくと、相手の激しい

怒りの感情を一気に鎮火することに効果的です。

この部分が「受け身ではなく攻めだ」とお伝えしている背景です。

 

「それは大変がっかりされたでしょうね」

「それはとても不安だったでしょうね」

「それはとても恥ずかしい思いをされたことでしょうね」

こうしたことを、会話の最中ずっと意識して行っていくことで、これまで20分も30分も

かかっていた苦情・クレームの対応を一気に短くすることができるようになるでしょう。


3、客観的な事実確認ができていない
 

お 客:「配達予定時間に30分も遅れて未だに届かないなんて、どういうことだ!」
あなた:「30分も遅れて、未だに届かないことについて、ご心配とご不便をおかけしておりまして、大変申し訳ございません。すぐに配送状況を確認させていただきますので、恐れ入りますが不在票はお手元にございますでしょうか?」
 
お 客:「お宅のお店の人の社員教育はどうなっているの?」
あなた:「当店の社員教育について、ご不快な思いをさせてしまったこと、誠に申し訳ございません。お客さまに二度と不快な思いのないよう、責任を持って指導させていただきますので、詳しいご事情をお聞かせいただけますでしょうか?」

2つの事例を書いてみましたが、前述した通り、まずは相手の怒りの感情を

しっかりと受け止め、かつ、言葉になっていない心情も伝えながらお詫びす

することで「この人ならわかってくれそうだ」と関係性を構築します。

その上で、状況をうかがっていくということですね。

 

感情的になっている状態では客観的な事情を伺うことが簡単ではありませんし、

むしろ事情を伺おうとすることで「責任逃れをしようとしているのではないか?」

と、余計な不安や緊張を生み出しかねません。

 

事例では、コンパクトに書いていますが、実際には最初の3〜5分間は、徹底的に

相手の怒りの感情を吐き出させることに集中しましょう。

実際、お客さまの勘違いによる苦情というケースも沢山あります。

だからと言って、お客さまの言い分を聞き切らないまま状況確認をしようとすると、

怒りの炎をさらに燃え上がらせてしまいかねません。

 

困っている相手には、まずは同情のお詫びをしよう

 

あなたの目の前に、真偽は不明でもとりあえずあなたのせいで困っていると

思われる人がいたらどうしますか?

有無を言わさず「私のせいじゃありません!」と否定しますか?

お詫びをすることと「非を認めること」は全く関係ありません。

ここでお伝えしているお詫びとは「非を認めるお詫び」ではなく、「困っている

人に対する同情の気持ち」を伝えているのです。

 

苦情やクレームを受け付けする側の立場としては、とても困難な状況だと思います。

ですが、それ以前に、お客さまの方が困った状況を経験しているのです。

ですから、まずはその困った状況を受け止め、寄り添い、心情を吐き出してもらう

ことが苦情をクレームに発展させないためにとても大切なコツです。

 

参考になれば幸いです。

 

※こちらの記事も合わせてどうぞ

【苦情をクレームにさせない「顧客心理に寄り添いクレームを短期で収束させる」ちょっとしたヒント】

 

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